インプラントの勉強会に行ってきました。
投稿日:2025年2月11日
カテゴリ:勉強会報告
こんにちは いぬい歯科クリニック 院長の乾です。
先日、MEGAGENというインプラントメーカーのセミナーに行ってきました。
韓国製で患者さんに優しく体への負担が少ないインプラントで最近注目を集め、長期的な安定も確認されている安心安全なインプラントです。その特徴に関して説明させていただきます。
1Dayインプラント治療とは?
従来のインプラント治療では、抜歯後に数ヶ月の骨の回復期間を経てからインプラントを埋入し、さらに数ヶ月の骨との結合期間を設けた後に被せ物を装着するため、治療期間は上の骨と引っ付くのに6ヶ月、下は3ヶ月かかりトータルで6ヶ月~12ヶ月程度かかるのが一般的でした。
しかし、1Dayインプラント治療では、抜歯後すぐにインプラントを埋入し、仮歯を装着することが可能です。この方法により、インプラントを入れてから状態が良ければ8週で型取りを行うことができ治療期間は約3ヶ月に短縮され、患者様のストレスや日常生活への影響を最小限に抑えることができます。
「オッセオデンシフィケーション」技術による骨密度の向上
インプラント埋入の際には、「Osseodensification(オッセオデンシフィケーション)」という技術が用いられることがあります。この技術では、専用のドリル「Densah® Bur」を逆回転させながらドリリングを行うことで、骨壁を押し広げつつ圧縮し、骨密度を高めることができます。これにより、より強固な初期固定を得られるため、インプラントの安定性が向上します。
つまりはドリルにて「削る」ということではなく「押し広げる」ことにより骨が少ない部分にも骨をいっぱい足すことなくインプラントを打つことができ、押し広げた骨が戻る力も利用して打ったインプラントをさらに強固に固定することができます。
上顎臼歯部へのインプラントとAnyOneエクストラワイドインプラント
今まででは上顎臼歯部へのインプラント治療では、骨量が大きく不足している場合では上顎洞底挙上術(サイナスリフト)が、少し必要な場合でもソケットリフトと呼ばれる骨を入れて鼻の横の空洞の上顎洞を持ち上げる手術が必要でした。この手術では、長いインプラントを埋入することで安定性を確保しますが、上顎洞粘膜の穿孔や腫れ・痛みなどのリスクが伴います。
そこで、AnyOneエクストラワイドインプラントを使用することで、上顎洞底挙上を回避しながら安定したインプラント治療が可能になります。このインプラントは直径7.0mm~8.0mmと太めに設計されており、長さよりも幅を重視しています。そのため、
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骨量が少ない部位でも広い接触面積を確保できる
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BIC(骨とインプラントの接触面積)が大きくなり、初期固定が向上する といったメリットがあります。
MEGAGENのハンズオンセミナーに参加して
先日、MEGAGENのインプラントに関するハンズオンセミナーに参加してきました。最新の技術やインプラント治療の進化について学ぶことができ、非常に有意義な時間となりました。
セミナーでは、オッセオデンシフィケーションを活用した埋入手技や、AnyOneエクストラワイドインプラントの特徴について、実際のケースを交えながら学びました。特に、骨密度が低い患者様に対しても安定したインプラント治療が可能になる点が印象的でした。
また、MEGAGENのインプラントはデザインや表面処理が工夫されており、短期間で骨との結合が得られやすいというメリットがあります。実際に手技を体験することで、その使いやすさや適応の広さを実感しました。
実習にてインプラントを模型に埋入
実際の患者さんで骨が全然ない部分にもこのように膨らみ、穴が開くことなく安全にインプラントを入れることができます
まとめ
1Dayインプラント治療は、従来の治療と比べて治療期間を短縮できるだけでなく、オッセオデンシフィケーション技術やAnyOneエクストラワイドインプラントを活用することで、骨量が少ない部位でもより安全かつ安定したインプラント治療を提供できます。これにより、患者様の負担を減らし、より快適な治療を実現できます。
今回のMEGAGENのセミナー参加を通じて、より精度の高いインプラント治療を提供できる自信を深めました。他院にてインプラント治療を断られた患者さんもご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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