予防歯科診療・歯周病治療
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虫歯・歯周病を未然に防ぐ予防歯科に力を入れております
いぬい歯科クリニックでは、天然歯の保存を第一に考え、虫歯・歯周病の予防や歯周病の治療に力を入れております。痛みや違和感を感じてから治療をするのではなく、歯科医院へ定期的に通って良い状態を維持できるよう、スタッフ一同予防歯科の習慣化をはじめ、虫歯・歯周病の早期発見、早期治療に努めております。
予防に取り組んでいる人と痛くなった時にだけ通院する人の違い
(出典:日吉歯科診療所調べ)
上の画像は、日頃から定期的に通院してクリーニングや歯科検診を受けて予防に取り組んでいる人と痛くなった時にだけ治療に通う人の歯の寿命と80歳までにかかる治療費を比較したものです。定期的に通院をしている方が治療費も多く必要になりそうですが、実際は大掛かりな処置がないため、治療を中心に行う人に比べて約3分1程まで費用が抑えられ、さらに歯の寿命も長いという結果となっています。このことからも日頃から予防歯科に取り組むことがどれだけ重要かがお分かりいただけると思います。
予防歯科に取り組むことのメリット
日頃から定期的に歯科医院に通い、歯科検診やクリーニングを受けることによって下記のようなメリットがあります。
- 虫歯や歯周病を未然に防ぐことにつながります
- 予防処置は痛みを伴いません
- 治療費の抑制につながります
- お口の健康維持に直結します
- すでにお口のトラブルに見舞われていたとしても、自覚症状が現れる前なので早期発見・早期治療につながります など
セルフケアとプロフェッショナルケアで予防を徹底しましょう
虫歯や歯周病予防の基本は、毎日行う歯磨きなどのセルフケアです。しかし、お口の中にはバイオフィルムや歯石といった歯磨きでは取り除くことのできない頑固な汚れが存在するため、予防を徹底するためには歯科医院で定期的にプロフェッショナルケア(歯石除去・クリーニングなど)を受ける必要があります。いぬい歯科クリニックでは、下記のケアを実施し、お口の健康維持をサポートいたします。
ブラッシング指導(TBI)
セルフケアの質を高めるため、患者さま一人ひとりに合った歯磨き方法をレクチャーします。歯ブラシの当て方や動かし方などのアドバイスで、汚れを効果的に落とせるようなブラッシングを指導しますので、ぜひ毎日のセルフケアの参考にしてください。
PMTC
PMTCとはプロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングの略称で、専門的な器具を用いて実施する歯面清掃のことです。歯磨きでは取り除くことができないバイオフィルムや歯石を取り除き、歯面や歯間を滑沢に磨き上げることで汚れの再付着を抑制します。
スケーリング
虫歯や歯周病を予防するためには、歯石を蓄積させないことが重要です。歯垢が再石灰化によって固くなったもので、日頃の歯磨きでは取り除くことができません。歯科院でのプロフェッショナルケアでは、スケーラーという専用の器具を使用して歯間、歯と歯茎の境目などに付着した歯石を綺麗に削り落とします。
フッ素塗布
フッ素は歯面の強化をはじめ、虫歯菌の活動を抑制したり、歯を修復する再石灰化を促したりする働きがあります。定期的にフッ素を塗布することによって、効率的な虫歯予防が期待できます。
エアフローによる負担の少ない歯面清掃にも対応しております
いぬい歯科クリニックでは、エアフローというクリーニング機器を完備しております。エアフローは重曹やアミノ酸のパウダーをジェット水流で歯面に吹き付けることによって、歯垢や歯石、タバコのヤニや茶しぶなどの頑固な汚れを短時間で除去することができます。
エアフローはブラシなどがなく、歯面や歯茎に器具が直接触れないため、処置中に傷つけるなどの心配もなく、負担の少ない快適なクリーニングが可能です。
いぬい歯科クリニックが取り組む歯周病予防・歯周病治療
歯周病は成人が歯を失う一番の原因です。いぬい歯科クリニックでは、少しでも多くの天然歯を維持していただけるよう、歯周病の予防・治療に力を入れております。歯周病は生活習慣病のひとつと考えられています。もともとは細菌による感染症なので、全身の抵抗力が低下すると発症したり、進行が早まったりします。口腔ケアを行うかどうかだけでなく、「間食が多い」「喫煙習慣がある」「生活が不規則」「歯並びや噛み合わせが悪い」「糖尿病」などがあてはまると歯周病リスクが高くなるといえるのも、大きな特徴です。
歯周病の進行と症状について
歯周病の症状は、大きく分けて下記の3段階に分類することができます。
軽度歯周病
歯ぐきが炎症を起こしている歯肉炎と歯を支える顎の骨が少しだけ溶け始めた初期歯周炎の段階です。ブラッシングの際に出血することがあります。歯と歯ぐきの溝の深さは2~4mm程度です。
中等度歯周病
歯ぐきの炎症がさらに進み、歯と歯ぐきの溝が深くなり歯周ポケットが形成されます。深さは4~5mmです。「歯ぐきが下がり歯が長く見える」「冷たい物がしみる」「食べ物がよく挟まる」などの症状が現れます。
重度歯周病
歯を支える顎の骨の破壊が進み、歯が大きくぐらつき噛む力が弱まります。歯ぐきから膿が出て、口臭がきつくなります。歯周ポケットの深さは5mm以上です。治療せずに放置すると歯が抜け落ちることもあります。
歯周病は様々な全身疾患とも深い関係があります
近年の研究では、歯周病が様々な全身疾患と深い関係にあることが明らかになっています。歯周病の原因菌や派生する毒素が血中に入り込んで全身を巡ったり、誤って気管に侵入してしまうと、脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病や誤嚥性肺炎をはじめ、妊婦の方は低体重出産や早産などを引き起こす可能性が高くなります。お口や歯の健康はもちろんですが、全身やお子様の健康面も考慮し、歯周病の予防や治療に取り組むことが重要です。
歯周病との関係が指摘される疾患
認知症、誤嚥性肺炎、栄養障害、肥満、低体重児出産、早産、神経痛、関節リュウマチ、骨粗しょう症、心疾患(狭心症、心筋梗塞、心内膜炎、心筋炎など)、慢性腎炎、腎盂炎、動脈硬化、高血圧、湿疹、皮膚炎など
歯周病予防・治療によって認知症のリスク軽減できる?
認知症患者の約7割を占めるアルツハイマー認知症は「アミロイドベータ(Aβ)」という不要なタンパク質が脳内に溜まってしまうことで発症すると言われています。
以前より歯周病とアルツハイマーの関係については、様々な研究が行われていましたが、近年の九州大学と中国北京理工大学の合同研究によって、歯周病菌がアミロイドベータ(Aβ)の脳内蓄積量を増加させることが明らかになりました。
この研究結果からも分かるよう、歯周病の予防・治療によって将来的な認知症の発症リスク軽減が期待できると言えます。
歯周病の早期発見・早期治療を実現するための取り組み
歯周病は自覚症状がなく進行します。歯周病が気づかないうちに悪化してしまうと、改善まで長期的な時間が必要になるだけでなく、歯を失う可能性も高くなってしまいます。いぬい歯科クリニックでは、歯周病の早期発見・早期治療を実現するため、定期検診の際などに必要に応じて下記の歯周病検査を実施いたします。
ポケット検査
歯周病は進行にともない歯と歯ぐきの溝(歯周ポケット)が深くなります。歯周ポケット検査では、プローブという器具を1歯に対して6ヶ所差し込んで深さを測定します。健康な歯肉の深さは1~2mmですが、進行していればどんどん深くなっていきます。
動揺度検査
歯周病が進行するにつれ、歯を支える顎の骨が溶けていきます。そのため歯がぐらつきだします。どの方向にどのくらい動くかを測定して、歯周病の進行度合いを把握します。
レントゲン検査
レントゲン検査をすると歯根とまわりの顎の骨の状態が分かります。顎の骨が歯をしっかり支えている場合には歯根のまわりは白く写りますが、歯周病が進み、歯周組織や顎の骨が吸収されると、黒く写ります。
歯周病の進行レベルに適した治療法をご提案いたします
いぬい歯科クリニックでは、診査・診断をしっかり行い、それらの結果を基に適切な歯周病治療をご提案いたします。
拡大視野での精密な歯石除去を実施
歯周病の改善、悪化防止のためには口腔内を清潔に保つことが重要です。
いぬい歯科クリニックでは、肉眼の数倍~数十倍まで視野を拡大できる歯科拡大鏡やマイクロスコープを駆使し、歯石除去を行います。歯周ポケット内や細部の状態を目で確認しながら、精密な処置を実施いたします。
歯周外科治療にも対応
歯周病が進行すると、歯と歯茎の境目にある歯周ポケットが深くなり、通常の器具や肉眼では適切な処置が困難となります。そのような場合に当院では、歯周外科治療をご提案いたします。
当該歯の歯肉を切開し、歯周ポケット内を露出させた後、感染歯肉の切除や歯石除去を徹底して行い、症状の改善を図ります。
エムドゲインによる歯周組織再生療法
歯周病が重症化して歯茎や骨が溶かされてしまうと、歯がグラグラと動くようになり、最終的には歯が抜け落ちてしまう可能性もあります。歯周病で歯を失わないよう、当院ではエムドゲインによる歯周組織再生療法にも対応しております。
エムドゲインは歯の発生時に重要な働きをするタンパク質が主成分のお薬です。治療部位に塗布することで歯の発生時と同じ環境を作りだし、骨や歯茎の再生を促し、歯をもう一度支えられる状態にします。
下がった歯茎を修復するCTG(結合組織移植術)について
加齢や歯周病、強すぎるブラッシングなどによって歯茎が下がると、歯根が露出するため、歯が長く見えてしまうなど、見た目が悪くなってしまいます。また、歯根の露出は見た目の問題だけでなく、熱いものや冷たいものがしみる知覚過敏になったり、根面う蝕(歯根部分の虫歯)のリスクが高くなってしまいます。
そのような場合には、CTG(結合組織移植術)によって歯茎を修復します。口蓋(上顎の壁部分)から歯肉を採取し、歯茎が退縮した部分に移植することによって、審美性の改善をはじめ、知覚過敏や根面う蝕のリスクを軽減します。
CTG(結合組織移植術)によって審美性・知覚過敏を改善した症例
いぬい歯科クリニックで実施したCTG(結合組織移植術)によって審美性・知覚過敏を改善した症例をご紹介します。
歯茎が下がっているところがしみるとの主訴で来院された40代女性の患者さまです。
右側のブラッシングが強く左に比べて歯茎が下がっていました。歯茎のボリュームもなくもっと下がりそうで、見た目も左右非対称のため、CTG(結合組織移植術)によって露出している歯根を覆う再生療法を行うこととしました。
術中
当該部分に麻酔をした後、上皮性組織を切開します。
術後
上顎から採取した結合性組織を移植し、傷口を縫合して治療完了です。
術後経過
歯根が再び歯肉に覆われてことにより、しみる症状は治りました。また、対称性を取り戻し、見た目も改善されました。
年齢・性別 | 40代 女性 |
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治療期間 | 3ヵ月 |
治療回数 | 4回 |
治療費 | 55,000円(税込) |
リスク・注意点 | ・歯と歯の間の歯茎が下がることがある |
吹田市千里山にて予防歯科・歯周病治療をご希望の方へ
いぬい歯科クリニックでは、ご自身の歯で生涯食事や会話を楽しんでいただけるよう、予防歯科や歯周病治療に力を入れております。定期検診やクリーニングなどの予防処置をはじめ、症状に適した歯周病治療の実施により、お口の健康維持をサポートいたします。吹田市千里山にて予防歯科・歯周病治療をご希望の方ぜひ、当院までお気軽にご相談ください。