顎顔面矯正 アドバンスに行ってきました。
こんにちは いぬい歯科クリニック 院長の乾です。
本日は当院で扱っている小児矯正のメインの顎顔面矯正のアドバンスコースが1月からスタートしているのでその説明・感想をブログにて報告させていただきます。
まずは顎顔面矯正について改めて説明させてもらいます。
顎顔面矯正は単なる歯だけを並べる歯列矯正ではなく、顎の骨格や顔面全体のバランスを改善するための治療法です。以下、詳しくご説明します。
1. 顎顔面矯正の目的
従来の歯列矯正は、歯並びや噛み合わせ、審美目的に重点を置いていますが、顎顔面矯正はそれに加えて、以下の点を目的としています。
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骨格的な不正咬合の改善
歯並びが悪い場合、ほぼ間違いなく上の顎が小さいです。それに釣られて下も小さく歯並びや噛み合わせの問題は骨格からきていることがかなり多いです。そこからアプローチし顎の骨格的問題を解決し、噛み合わせのバランスを整えます。 -
顔面の美的改善
顎や顔面の骨格が原因で生じる不均衡(例:顎の左右非対称、前突、後退など)を矯正し、顔全体の調和やプロファイルの向上を図ります。 -
機能の回復
咀嚼や発音、呼吸といった基本的な機能の改善にも寄与します。正しい噛み合わせが得られることで、筋肉や関節への負担が軽減され、顎関節症の予防にもつながります。機能的に弱いと高齢者になってからの要介護になるスピードがかなり早くなってしまうのです。ですから、成長段階で機能や形態の獲得は最高の自己投資なのです。
これらが不調和を起こすとこのようにお口ポカンとなっていることが多く、「普段は口閉じてるけど」とおっしゃる親御さんも多いですが70%の人がわかっていません。
2. 治療のアプローチ
顎顔面矯正は、患者の年齢や骨格の発育状況により、治療方法が異なります。
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成長期の治療
子どもの場合、成長を利用した治療が可能です。例えば、ファンクショナルアプライアンス(機能性装置)やヘッドギアなどを用いて、顎の成長方向を調整し、理想的な骨格発育を促します。
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成人の治療
成人では骨の成長が止まっているため、矯正だけでは十分な改善が難しい場合があります。こうしたケースでは、外科的なアプローチ(顎変形症治療、オルソグナティックサージェリー)と歯科矯正を組み合わせた治療が行われます。手術により顎の位置を修正し、その後に歯列矯正を行うことで、機能と審美の両立を目指します。 -
3. 診断と治療計画
顎顔面矯正の治療を行うには、詳細な診断が不可欠です。以下の検査や評価が行われます。
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セファロメトリック解析
頭部X線写真や3D画像を使用し、顎や顔面の骨格、歯列の位置関係を数値化して評価します。 - これを撮影し数値を計測することで現状を知り治療計画を立案します。
- これからどう成長したかなども客観的に評価できます。
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模型分析
歯の模型を作成し、噛み合わせや歯間の関係を確認します。 -
咀嚼筋や顎関節の評価
筋肉の発達や顎関節の状態も治療計画に影響するため、これらの機能評価も重要です。
これらの情報をもとに、患者一人ひとりに最適な治療計画を立案します。治療の期間、使用する装置、場合によっては手術の必要性などを総合的に判断し、患者と十分な相談を重ねながら進めていきます。
4. 治療のメリットと注意点
メリット
- 顎の骨格や顔面のバランスが整い、自然な噛み合わせと美しい顔立ちが得られる。
- 咀嚼や発音などの機能が改善され、全身の健康にも寄与する。
- 長期的な安定性が確保され、歯や顎関節への負担が軽減される。
注意点
- 治療期間が長く、計画的かつ継続的なケアが求められる。
- 成人の場合、外科的手術が必要となるケースでは、リスクや術後のリハビリが伴うため、十分な理解と準備が必要。
- 定期的な検診とセルフケアの徹底が、治療成功の鍵となります。
顎顔面矯正は、単なる美的改善だけでなく、咀嚼や発音、顎関節の健康維持といった機能的な側面にも大きな効果をもたらします。患者自身の生活の質を向上させるため、また将来的なトラブルを予防するためにも、専門医による丁寧な診断と計画的な治療、そして治療後のメンテナンスが非常に重要です。顎顔面矯正に興味がある方は、まずは専門の矯正歯科医師に相談し、自身の状態に合わせた最適な治療プランを立てることをお勧めします。
アドバンスコースにて勉強すること
顎顔面矯正にて終わった後、ワイヤーにて並べる場合の治療方法を勉強しました。
最初はここまで噛んでないガタつきのある歯並びを
最後はしっかり噛むようにしました。
もちろんこれは成人の部分的な矯正にも有効です。
歯並びが良くなることで生涯にわたって自分の歯で噛める人が増えますように!
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